『法治の獣』『オーラリメイカー』の春暮康一の新作がいつの間にか発売されていた!ということで慌てて読みましたがはちゃめちゃに面白く、思わず久しぶりにブログを更新するくらい。

↑の2作もとても面白く、「地球外生命体の描写がめっちゃいい」「スーパー規模がでかい宇宙もの」としてそれぞれ未だ見ぬ世界に連れて行ってくれるものだったのですが、今回は輪をかけてすごい!この両方の要素を遺憾無く発揮しつつ、さらに規模が大きい。

しかも、というか、ここが一番大好きなところなんですが、その輪をかけて凄まじい世界の広がりが、今この現実にある科学技術の延長線上に本当にあるんじゃないかと思わせられるところが素晴らしく、というか主人公たちがどんどん技術を進化させて本当に実現させていってしまうという話です。まさにここ現在の地球、現在の日本の一人の少年から始まり、あんな遠くに行ってしまうのか………。そういうSFが大好きなんですよね。完全に全くの別世界を描くというより(それはそれで好きですが)、この地球、この現在から繋がっているモノ。まさにセンスオブワンダーを体験できる SFの醍醐味が詰まった作品です。最近こういう系、あまりなかったような気もします。本当にありがとう。

もちろん似たような、空間的にも時間的にも壮大なSFジャンルというのはあるのですが、にしても完成度が高い。し、そういう系にしてはかなり読みやすいのでおすすめです。

読みやすいのに科学的考証というか、理論がしっかりしすぎててびっくりします。どんだけ作者の知識が深いのだろう…

そして物語の構成も面白く、遠過去と遠未来が並行して語られており、つまり物語のエンディングの先までが並行して語られちゃってるんですよね。エンディングがないもすら言えるかもしれず、読み終わっても、あ、でも…とその先を思い出して寂しくないというか。もう一度読んだらもっと色々気づけそう。

あと一点、人類史におけるとあるイベントの壮大な伏線回収みたいなのがなされていて、笑っちゃうほど面白かったです。こういうのに弱い。

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